2007/09/13 (Thu) 15:48
安倍ヨリモ阿部

涙目の退陣会見を見て思ったのは、悪い人ではないんだろうけど、宰相の器ではなかったのだろうってこと。「どれほど悪い事例とされていることであっても、それがはじめられたそもそもの動機は善意によるものだった」というカエサルの言を思い出した。これが逆説的に指し示すのは、大事を司るにはそれ相応の能力がなければならない、ということ。

安倍ちゃんは「調整型」といわれたが、結局、意見の調整をしたのは政権内に対してだけで、国民の意を汲むことなく、「美しい国」づくりに邁進。その果ての職場放棄とも言える辞任劇。ブレーンに恵まれなかったこともあるのだろうけど、その経過を鑑みるに安倍ちゃんの能力不足を否定することは難しそうだ。そもそも、いつでも総理になれるはずの政界の御曹司が、問題山積逆風明らかな‘ポスト小泉’としてあえて首相になり、しかも傍目にも明らかだったその問題を認識していなかった(認識していても放置した)あたり、‘KY’というより、やっぱり頭が(以下、自主規制

今回の辞任劇はサプライズにはサプライズだけど、サッカーEURO2008予選でアウェイでフランスを破ったスコットランドが、伊仏両国を抑えて首位に…なんてニュースの方が衝撃度合いが大きいな。スコットランドは残り試合にウクライナ戦とイタリア戦を残しているけど、これが共に、いっとき伝説にまでなったスコットランドのホームゲーム。ケルトの熱狂を背に快挙を達成してしまうかもしれない。注目。

2007/09/04 (Tue) 13:38
コルくんの不思議な旅

六本木ヒルズの森美術館で催されている『ル・コルビュジェ展』に行って来た。展示されているのは、中期から後期にかけての作品の模型や映像、絵画、家具、車、スケッチなど。

コルビュジェ建築で私が好きな作品は、一にラ・トゥーレット修道院、二にロンシャンの礼拝堂、と最晩年のもの。‘住宅とは住むための機械である’という言葉に代表されるように、キャリアのほとんどをかけて合理的で近代的な建築や都市を模索し続けたコルビュジェが、その晩年に造形的な傑作を産み出したあたりがとても興味深い。妻・イヴォンヌとの「終の棲家」として建てたのは南仏の小さな村のレストランに増築した4坪余の住まいである。

コマーシャリズムが跳梁跋扈する中、地球規模での生産活動の縮小化が求められる現代社会において、建築家に求められる役割はほとんどない(少なくとも生産活動においては)。工業化が求められた時代にそこに身を捧げたコルビュジェは、魂の安息を求めてか、温かみのある建築に回帰した。現代の建築家たちは無用なはずの生産活動にしがみつき、己の存在意義を確立するために理論武装(いいわけ)している。この対比にこそ建築活動の本質が見いだせるのではないだろうか。ほんとうは建築家も晩年のコルビュジェや藤森照信のように自由に表現したいだけなんだろうにね。そういう意味合いで、「ル・コルビュジェ展」を六本木ヒルズでやるというのは森さんもスパイス効かせてるよな。表参道ヒルズでやればなお微笑ましいのだが、あそこには美術館はなかったっけか。笑

2007/09/04 (Tue) 11:45
悪の華

少年は、この世でいちばん大切なものが何かを知った。少女は、どうすれば人間の魂を奪えるかを知った。そのときから二人の白夜行が始まった…

白夜行 (集英社文庫) 白夜行 (集英社文庫)
東野 圭吾 (2002/05)
集英社

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今更ながら、東野圭吾『白夜行』を読んだのだけど、おもしろいね、コレ。

最初に読んだ『宿命』はあまりに陳腐だったので以来東野作品を敬遠してしまったのが間違いで、コレに出会うまでに時間がかかってしまった(ドラマには興味がないしな)。ようやく最近になっていくつかの東野作品を読んだのだが、傑作と云われた『手紙』ですら良いには良かったのだがどこかで聞いたことのあるナラティブの集積、という感覚は残ってはいた。読後感としては今回が抜きんでて良い。あー早く出会いたかったよ。以下、ネタバレなので、伏せておきます。

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2007/08/18 (Sat) 13:56
日々徒然

雑記。


■映画『リンダリンダリンダ』

リンダリンダリンダ リンダリンダリンダ
ペ・ドゥナ、前田亜季 他 (2006/02/22)
バップ

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香椎由宇とペ・ドゥナという好みの女優さん目当て(みーはー)に見たんだけど、意外と良作。『スウィングガールス』『ウォーターボーイズ』『フラガール』の系譜に連なるんだろうけど、フツウの青春って決して劇的ではなく淡々と流れる日常の中にほのかに煌めく光や熱情によって生成されるんだよなって点でもっとも共感できる作品。ブルーハーツという素材を含めてターゲットは私らの世代(30代前半)なんだな、きっと。


■書籍『渡邉恒雄 メディアと権力』


渡邉恒雄 メディアと権力 渡邉恒雄 メディアと権力
魚住 昭 (2000/06)
講談社

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稀代のマキアヴェリアン・ナベツネが粛正を重ねながら確固たる権力を手にするまで。著者が採り上げた野中広務もそうなんだけど、権力を巡るハンドリングに長けた者が志のある者を駆逐しながら出世の階段を駆け上がるさまはおぞましく絶望的である。部落差別の根絶に奔走した若き日の野中、主体性論を掲げ独善的な共産党主義者に楯突いた若き日のナベツネ…共に権力に魅せられその闘争に己が居場所を見出し、その志を廃らせてしまうのだ。なにより恐ろしいのは、ジャーナリズムに縁の遠いはずのナベツネが不可侵の大新聞社を牛耳っている点にある。このあたりを踏まえた上で読売新聞や中央公論社や日テレの論説を読み解くとメディア・リテラシーを鍛える上で面白い。それから、巨人の物量作戦がことごとく失敗に終わるのはナベツネが大して野球に関心がないからなんだなと。

「君主たる者は、その政体を保持するために、時に応じて信義に背き、慈悲心に背き、人間性に背く必要がある(君主論)」それができないから、私はゼネコン社員を辞めたんだな、と改めて感じる一冊だった。時としてマキアヴェリズムが必要なことはわかるのだが、規模の大きい政体においてそれを断行することは私にはできそうにないし、それを恐れる人間でありたいと思うのだ。


■朝青龍問題

この惑星の親は子を叱らない…ってことじゃないかなあ。知らないけど。


■JRA競馬開催中止

馬インフルエンザ感染拡大、ということで開催中止。週中では開催に前向きな話も出ていたのだが、専門医に言わせると「ありえない発言」だとか。問題が生じた際のパブリックコメントでその組織や責任者の質が明らかになるという様式は、原発事故やミートホープや東横インなんかでも観察できるのだが、相変わらずJRAは競馬を愛していないなってことが観察できる。それから、メイショウサムソンも感染したそうで残念。早々に現地入りして前哨戦から臨む、という好ましい臨戦過程だっただけにね。昨年3位入線(後に薬物使用で失格)したディープインパクトよりはロンシャンの芝に適正があったはずだし、関係者もさぞかし無念だろうな。

2007/08/12 (Sun) 12:02
この時期にプロ野球観戦が楽しいという幸福

愛する横浜ベイスターズを応援しに阪神ファンの知人と試合を観戦してきた。この試合が実に好ゲームで見応え十分。

先発の両投手は決して好調というわけではなかったが、巧みに要所を締めて、中盤まで投手戦の様相。横浜が2−0でリードした7回表の阪神の攻撃は2番の赤星から。金本を抑えられる左腕は横浜には工藤以外にいないので、金本に打席が回るこの回が球数から言って工藤のラストイニングであり、と同時に勝負を決するイニングになるだろうと予想された。が、赤星、シーツの連打で、無死一塁、三塁という最悪の場面で四番・金本を迎えることになる。同点に追いつかれると、中継ぎ投手陣の力量差で阪神が勝つだろうから、工藤はここを1失点以内に抑えなければならない。ここで工藤は金本をレフトフライによる犠飛、続く林も打ち取り、最小の1失点で切り抜け、スタンディングオベーションに迎えられマウンドを降りた。このときの工藤をたたえる一塁側スタンドの雰囲気が実に印象的だった。横浜が(現在は4位であるが)優勝争いを演じるのは日本一に輝いた98年以来のこと。内容の締まった緊迫した試合をこの時期にファンが眺め、また、真剣勝負を味わいながら愛するチームと一体になり懸命に応援することができるのは実に9年ぶりであり、そうした空白の8年間を埋めるべく熱意を捧げる横浜ファンの姿は感動的ですらあった。おそらく、選手たちも感動してくれたことと思う。

試合の方は、弱気モードに陥った吉見の四球連発で同点に追いつかれ、なおも地獄の底を眺めながら、奇跡的に勝利を収めることができた。工藤の勝ちは消えてしまったのは残念極まりないが、このような試合を選手もファンも演出できれば、3位に食い込めるかもしれないなあ。戦前はファンでありながら最下位と順位予想したファン失格の私ではあるが、その分、過度な期待をすることもないので、一試合一試合を懸命に闘うチームを応援していこう、と改めて誓うのだった。友人も「阪神は負けてしまったが、(敗戦投手になった3連投の)久保田を責めることはできないし、いい試合だった。見に来て良かったなあ」と言っていた。横浜が負けたなら、私も同じようなことを言っただろうな。ただ、試合の巧拙は両チームより中日が断然上なので、まだまだ課題は多いんだけど(物量作戦の巨人は論外)。

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