2007/09/04 (Tue) 13:38
コルくんの不思議な旅

六本木ヒルズの森美術館で催されている『ル・コルビュジェ展』に行って来た。展示されているのは、中期から後期にかけての作品の模型や映像、絵画、家具、車、スケッチなど。

コルビュジェ建築で私が好きな作品は、一にラ・トゥーレット修道院、二にロンシャンの礼拝堂、と最晩年のもの。‘住宅とは住むための機械である’という言葉に代表されるように、キャリアのほとんどをかけて合理的で近代的な建築や都市を模索し続けたコルビュジェが、その晩年に造形的な傑作を産み出したあたりがとても興味深い。妻・イヴォンヌとの「終の棲家」として建てたのは南仏の小さな村のレストランに増築した4坪余の住まいである。

コマーシャリズムが跳梁跋扈する中、地球規模での生産活動の縮小化が求められる現代社会において、建築家に求められる役割はほとんどない(少なくとも生産活動においては)。工業化が求められた時代にそこに身を捧げたコルビュジェは、魂の安息を求めてか、温かみのある建築に回帰した。現代の建築家たちは無用なはずの生産活動にしがみつき、己の存在意義を確立するために理論武装(いいわけ)している。この対比にこそ建築活動の本質が見いだせるのではないだろうか。ほんとうは建築家も晩年のコルビュジェや藤森照信のように自由に表現したいだけなんだろうにね。そういう意味合いで、「ル・コルビュジェ展」を六本木ヒルズでやるというのは森さんもスパイス効かせてるよな。表参道ヒルズでやればなお微笑ましいのだが、あそこには美術館はなかったっけか。笑

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